
理想としていた医療環境をほぼ実現。
3〜4人分の経費削減効果に
くどうちあき脳神経外科クリニック
工藤 千秋 先生
最新のMRI、CTなどの診断装置を導入し、確かな診断技術と豊富な経験を活かした質の高い医療サービスを提供しています。
"院外のシステム課"としてクリニックIT総研を活用し、ITインフラの強化や診療業務の効率化などを継続的に行っています。
院長インタビュー
— 診療において大切にしていることは?
患者様を複雑な医療の世界に優しく導く「水先案内人」として、正確な診断を行い、必要に応じて適切な専門医療機関へおつなぎすることを第一の使命としています。
また、患者様のそばに寄り添い、身近に侍(はべ)る「主侍医」でありたい。このような理念のもとで、訪問診療にも力を入れています。
単に病気を治療するだけではなく、心のケアにも重点を置き、クリニックにおいても温かい空間づくりを心がけています。

— クリニックIT総研のサポート開始前は、どのような課題を抱えていらっしゃいましたか?
様々な課題がありました。まず、この時代ですから、情報セキュリティを一層安全に管理・運用する必要性を感じていました。
電子カルテは導入していましたが、一部のサブカルテや訪問診療では紙を使用して記録を行っており、私が現場にいる間、受付スタッフは私の帰院を待たなければならず、指示の内容もリアルタイムで共有できていませんでした。
また診療から会計までの様々な業務フロー、例えば、診断書などの文書作成も電子カルテだけでは不十分なところがあり、会計まで時間がかかることによる患者満足度の懸念がありました。
事務処理においても、収支データが複数のシステムやファイルに分散していたため、入力や管理が煩雑で労力が必要でしたし、また経営状況を即座に把握できない状態でした。
— クリニックIT総研を導入した決め手は何でしたか?
何より、トラブル時に素早く対応していただけることですね。システムトラブルなど何かあった際、大手企業だと数日かかったり、対応してくれないこともありますが、クリニックIT総研さんなら即座に解決できる体制があります。
また、私が願っていた要望に対して具体的な提案をしてくれました。単なるIT導入ではなくパートナーとして信頼できると感じたことが決め手でした。
— 導入後の変化はいかがですか?
先に挙げたような課題について、一つ一つ着実に解決していきました。今では、当初私が「こうあってほしい」と思っていたことがほぼ解決し、形として完成してきています。訪問診療中でも院内スタッフとリアルタイムで情報共有できるようになりましたし、業務効率化による会計までの時間短縮や、院内の財務・勤怠データの統合管理して、経営判断をパッとできる状況をつくることができた。
80〜90点を合格点とするなら、お世辞抜きでそこはクリアしていると思います。もちろん、まだまだ進化の余地はありますが、理想としていた医療環境が実現できています。

改善事例のご紹介
クリニックIT総研との取り組みで改善された具体的な課題と、実施した施策をご紹介します
ITプロフェッショナル人材の不在による課題
ITの専門家不在により、適切にPCやネットワークなどのIT機器管理が行われておらず、重要な機器が故障すると業務が止まってしまうリスクもある状況でした。
また、複数の業者が関わるITシステム導入においては、各社の責任範囲が曖昧なためにシステム導入が何ヶ月も遅延したり、トラブル時の対応に課題がありました。
実施した改善策

院内PC・ネットワークの一括管理、インフラ強化
院内のPCやネットワーク機器などを一括管理することで、セキュリティ管理・移行を簡単に行えるようにしました。これにより機器の買い替えタイミングなども適切に判断できるようになりました。
また、ネットワークをギガビット対応・Wi-Fi 6へアップグレードするなど、Wi-Fi環境を全面的に改善。大容量の画像データ転送やリモート診療もストレスなく行えるようになり、診療や事務など、業務のスピードと安定性が向上しました。

強力なデータバックアップ体制の構築
復旧までの確実性を担保する3-2-1-1-0方式バックアップを導入し、診療画像やNASの共有データなど、重要なデータの多重・自動バックアップを実現。院内外の障害や災害時にも確実なデータ保護と復旧が可能になりました。

各種システムや機器の業者との調整
業者間を調整することで責任範囲を明確にし、新たなシステムの導入や、トラブル時の課題解決が滞りなく、スムーズに進むようにしました。
診療業務の非効率性
電子カルテは以前より導入していましたが、診察時に手書きの紙記録を併用し、訪問診療においても紙での記録を行っていたため、診察結果やオーダーをリアルタイムでスタッフへ共有することができていませんでした。 また、紙と電子データが混在することで、情報の共有や検索に時間がかかり、診療効率に影響していました。
実施した改善策

訪問診療アプリで「訪問先と院内」がリアルタイム連携
バイタルデータを検査機器からBluetooth通信で自動記録・共有できるiPad訪問診療アプリを開発。訪問現場での情報入力を効率化し、スタッフ間のリアルタイム共有と薬局への処方箋送信をスムーズに行えるようになり、業務効率が飛躍的に向上しました。

検査結果の一括管理システム
各種検査データや検査記録を患者別に一括で表示・管理できるアプリを開発。紙の印刷物も一括でスキャン、電子化し、検査記録がスムーズに確認できるようになりました。

手書きの診療サブカルテのアプリ開発
診察時の手書き記録をiPadで記録し、管理できるアプリを開発。リアルタイムでの情報共有やオーダーが可能となり、紙の削減・スタッフ間の連携がスムーズになりました。
また、会計までの時間を短縮することができ、患者満足度の向上に貢献しました。
経営状況把握の課題
部門ごとの収支データが複数のシステムやファイルに分散しているため、入力・管理が煩雑化し、勤怠や経理などのバックオフィス業務に多くの時間を費やしていました。その結果、全体の経営状態を即座に把握できない状況でした。
実施した改善策

経理・販売・勤怠システム、POSレジの導入によるデータ連携
毎月行っていた収支の集計処理や、勤怠業務のデジタル化、POSレジの導入、そしてそれらを繋げるデータ連携システムの開発により業務の大幅な効率化を行い、スタッフの業務負担を削減しました。

収支データの一元化で、簡単に閲覧できるように
院内のデータを一括管理することにより収支を日次で確認できるようになり、「ひと目で経営状況がわかる」環境を実現、クリニックの経営状況把握と判断・対策への動きがスピーディーに行えるようになりました。
副院長インタビュー
現場の実務を担う副院長に、クリニックIT総研のサポートによる変化についてお聞きしました

石倉 様
くどうちあき脳神経外科クリニックの副院長として現場業務を統括し、スタッフマネジメントと業務改善を主導しています。
— クリニックIT総研を導入して良かった事は何ですか?
システム化によって、これまでできていなかった診察記録のリアルタイムの共有ができるようになったことと、いろんな業務が効率化されることで、全体としてスピードが上がりました。
クリニックIT総研さんの良いところは、クリニック独自の個性を活かしたシステムを開発・導入してくれたり、提案をしてくれるところです。
部分的な解決をしてくれる業者さんはあっても、クリニックの業務全体を見て、システムの間を繋ぐ部分までを考えてフォローしてくれるところは他にないので、本当に助かっています。
— サポートを通じて、具体的な効果はいかがですか?
業務が本当に楽になりました。その結果として経費削減効果はとても大きかったですね。診察から会計までの診療業務の効率化もそうですし、経理業務や勤怠業務などのバックオフィスの改善まで含めると、約3〜4人分の業務効率化が実現できています。
まだ改善できるポイントはたくさんあります。スタッフの意見も取り入れながら今後も進めていきたいですね。
今後の取り組みについて

— 今後、ITを活用して進めていきたいことはありますか?
取り組みたい主要な項目は3つあります。
まず、予約管理の改善です。若い世代には便利な予約方法としてLINEを活用したオンライン予約システムを導入し、ご高齢の方などLINEやスマホが使えない方には従来の電話予約も維持して併用する形で、全ての患者様にとって使いやすい環境を整えたいと思います。
次に、AIの活用です。紹介状などの文書作成を効率化することで、診療業務に集中できる時間を確保したいと考えています。その他、AIの得意な経営分析などにも活用していきたいですね。
そして公式LINEなどを使った、患者様との継続的なコミュニケーションツールの導入です。健康情報の発信や各種案内を通じて、より良い医療サービスの提供につなげていきたいと考えています。
こうした改善を継続し、患者様一人ひとりのケアを通じて、今後も地域医療に貢献していきたいですね。
施設情報

施設名 | 医療法人社団 くどうちあき脳神経外科クリニック |
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院長 | 工藤 千秋 |
所在地 | 〒143-0016 東京都大田区大森北1-23-10 |
診療科目 | 脳神経外科心療内科神経内科整形外科訪問診療 |
公式サイト | https://kudohchiaki.jp/ |